SPECIAL スペシャル


OGの麻実れいさん、朝海ひかるさん、宙組トップスターの真風涼帆さん、トップ娘役星風まどかさんが『アナスタシア』の魅力を語ります

日本初演オリジナル版・宝塚歌劇版 上演
ミュージカル『アナスタシア』
宝塚歌劇団OG×現役生徒 スペシャル座談会

OGの麻実れいさん、朝海ひかるさん
宙組トップスターの真風涼帆さん、トップ娘役星風まどかさんが
『アナスタシア』の魅力を語ります

真風涼帆
本日は、宝塚歌劇団の大先輩であるお二人と、日本で初上演、また宝塚歌劇でも上演されることになったミュージカル『アナスタシア』について、お話したいと思います。どうぞよろしくお願い致します。
麻実れい
どうぞよろしくお願い致します。日本初演オリジナル版『アナスタシア』で、マリア皇太后を演じます、麻実れいです。
朝海ひかる
同じくリリー役の朝海ひかるです。
真風
お二人とも“アサミ”さんということで、今日はどうお呼びしたらよろしいでしょうか。
朝海
(麻実の肩に手をやり)マリア皇太后で(笑)。
麻実
(笑)。ターコさん、(朝海に目をやって)コムさんで、よろしいんじゃないでしょうか。
真風
はい、ありがとうございます。すでにお稽古に入っていると伺っています。雰囲気はいかがですか。
朝海
まだ始まったばかりなんです。稽古場が3つに分かれていて、お芝居の稽古をしたり、ダンスの振りをつけてもらったりしています。
麻実
私とコムさんとは、出番が重なることが多いのよね。
朝海
リリーは元伯爵夫人なのですが、マリア皇太后の侍女でもあるんです。
麻実
ターコさんは(笑)、お芝居への出演が続いていてミュージカルは久しぶりなんですよ。なのでまだ、ミュージカルの流れに慣れていなくて(笑)。
朝海
ミュージカルへの出演は、22年ぶりと伺いました。
麻実
そうなんです。22年ぶりに出演するミュージカルが、こんな素敵な作品でとても幸せです。
朝海
扮装写真を撮影していた時にご挨拶させていただいたのですが、豪華なお衣裳をすっかり着こなしていらして、「あ、皇太后がいらっしゃる」と感動しました。
麻実
やめてよ(笑)。でもお衣裳は本当に素敵ね。
朝海
ヨーロッパから生地を取り寄せて、一人ずつにあわせて縫製をしてくださるんですよね。
麻実
お衣裳を着た自分の立ち姿を見て、「私が演じるのはこういう役なんだ」と再認識することもあるんです。特に、今回の作品では、お衣裳にだいぶ助けてもらっています。
朝海
わかります。リリーは開けっぴろげな性格で、楽しいキャラクターなのですが、お衣裳を着ると、彼女にも貴族の血が流れているんだなと背筋が伸びる気がします。
真風
音楽はいかがですか。
麻実
大変です! どの曲もとても美しいんだけど、とても難しいの。まだ楽しめるところまでには至っていません。でもね、あまりに素敵なので、頑張る勇気がわいてきます(笑)。
真風
私はブロードウェイ公演を拝見したのですが、一場面一場面のボリュームがあり、ドラマチックな楽曲がたくさんあることに驚きました。
朝海
名曲ばかりですよね。私は歌っていて自分自身が盛り上がってしまうような、楽しいナンバーを歌わせていただきます。
星風まどか
海外スタッフの方が来日され、お稽古をされていると伺っています。
麻実
歌唱指導の方も演出補の方もとてもやさしいんです。稽古が始まって間もない段階で通すことになった時、みんなが不安に感じていると、「勇気をもって」と声をかけてくださったり、「まだ何十回もお稽古があるんだから」と励ましてくださったり、私たち役者を決して焦らせないんです。
朝海
プレッシャーを与えないようにと、気を配ってくださっているのがわかります。オーディションの時も、まだ合否が決まっていない段階なのに、審査するクリエイティブスタッフの方が、「『アナスタシア』へようこそ」と歓迎してくださって。オーディション自体も、とても楽しく充実していて、この作品に出演したいという思いがより強くなりました。
シーンごとのお稽古でも、「リリーは、このシーンではどんなふうに感じているの?」といった具合に、最初に役者の意見を聞いてくれます。今回の公演は、ダブル、トリプルの配役が多く、動きは統一される部分もありますが、感情面は自由に演らさせてもらっています。
麻実
私が演じるのは、ロマノフ王朝の最後の皇太后。彼女が実在していたことを、舞台上でお見せすることが今のいちばんの課題です。
朝海
先日、冒頭部分のターコさんと、子ども時代のアナスタシアのシーンの稽古をやっていたのですが、見ていて胸に迫るものがありました。
麻実
複数の皇子や皇女がいるなか、マリアはアーニャをいちばん可愛がっていたんです。先日、演出補とも話していたんです、いったいどうしてなんだろう、もしかしたらアーニャはマリアに似ていたからじゃないかしら、って。強くておしゃまで、いたずら好きの子どもがそのまま大きくなった──、それがマリアという女性なのではないかとも考えています。
朝海
私が演じるリリーは、亡命先のパリでマリア皇太后のお世話をしています。ただ彼女は週に一度だけはハメを外したくて、亡命ロシア人が集うクラブではっちゃけるんです(笑)。
麻実
マリアはリリーのことをとても信頼していて、きっと彼女だけにはなんでも話せるんでしょうね。台本には書かれていませんが、演出補の方は、「きっとこの二人はロシアでも会っているのではないか」と話していました。パリで再会し、いちばん近いところに彼女を引き寄せたのでしょう。親友というよりも、身内のような存在なのかもしれませんね。
朝海
共にロシア革命を乗り越えてきた貴族という同志のような二人が、亡命して約10年という年月を経て、関係性を築きあげてきた──。お伽話のような素敵なミュージカルですが、マリアとリリーの関係を通して、帝政ロシア時代の負の部分も感じ取っていただければと思っています。
麻実
私、思うのだけど、きっとリリーは皇太后の最後を看取るのではないかしら。
朝海
光栄です(笑)!
麻実
今回、3人の女優さんがリリーを演じるのですが、それぞれ魅力がバラバラなので(笑)、お相手をさせていただくのがとても楽しいんですよ。
星風まどか、真風涼帆、麻実れい、朝海ひかる
朝海
リリーを演じる役者が変われば、マリアとリリーの関係性や色も変わるので、ぜひ何度も足を運んで楽しんでいただきたいですね。
ところで、真風さんと星風さんは、ブロードウェイで実際の舞台をご覧になっているんですよね。
真風
冒頭のオルゴールのシーンが美しくて、一気に『アナスタシア』の世界に引き込まれました。映像で、ロシアとフランスの当時の景色が鮮やかに映し出されるのもとても印象的でした。
麻実
この作品に出演することが決まって観に行かれたの?
真風
それが偶然だったんです(笑)。なので、宝塚歌劇で、しかも宙組で上演させていただくことになり、本当に驚きました。
星風
すべての楽曲が印象的でした。今も耳に残っています。この作品に出演させていただけることを本当にうれしく思っています。日本初演オリジナル版を観て勉強させていただきます。
真風
私は宙組公演で詐欺師のディミトリ役をさせていただくのですが、ターコさんが雪組で出演された『彷徨のレクイエム』(植田紳爾作)もロシア革命をテーマとしたものでしたね。
麻実
ええ、トップになって間もない頃でした。アナスタシア役は遥くららさんで、私がフェリックスという、今思えば、ディミトリを彷彿とさせる役を演じました。
朝海
その時の主題歌は長年歌いつがれている名曲ですよね。
麻実
そうね、でも今は『アナスタシア』の世界に入り込んでしまって、追憶の彼方(笑)。でもね、とても楽しい時間を過ごさせていただいたことは覚えています。
きっとお二人のディミトリとアーニャ、素敵でしょうね。ぜひご自分たちのディミトリとアーニャを作り上げてくださいね。
真風
ありがとうございます。私たちの宝塚歌劇版はまた少し視点が違ったものになりそうですが、今日、大先輩のお二人とお話しをさせていただき、いただいたイマジネーションを、お稽古にいかしていきたいと思います。
星風
今日、たくさんお話を伺い、日本初演オリジナル版を拝見させていただくのも、実際に舞台に立たせていただくのも、ますます楽しみになりました。一生懸命務めさせていただきます。
麻実
この作品は壮大な歴史ドラマであると同時に、ひとりの女性が本当の自分や家族を探して冒険を繰り広げる愛に満ち溢れた作品です。この素晴らしい作品を、ご覧になる方にきちんとお伝えできるように、日々お稽古に励んでいます。
朝海
私たちが出演する『アナスタシア』は、ブロードウェイ版のレプリカ公演なので、宙組の公演とは一味違ったものとなりそうです。両方の『アナスタシア』を楽しんでいただければうれしいですね。本当に素敵なミュージカルなので、きっとお楽しみいただけると思います。でも、いざ自分が演じるとなると、まだまだ模索の日々で(笑)。
麻実
大丈夫よ、みんな苦しいんだから。
朝海
本当に私、できるのかなと、毎日不安に感じています。
麻実
安心して、みんな同じよ(笑)。
麻実れい、朝海ひかる、星風まどか、真風涼帆